さいとう整形外科リウマチ科の院長、斉藤 究です。
当院に慢性のコリや痛みで来院される患者さんのなかには、とても自分にコンプレックスを持っている方がいらっしゃいます。
私にはあれも無い、これも無い、あれもできない、これもできない。
そして、自分が悪いと内に刃を向ける人と、他人と環境が悪いと外に刃を向ける人がいます。
そのバランスを少し整えて、なんとかなるさ、死ぬわけでは無い、と気楽に考え、気持ちの切り替え方を知り、自分のためだけの癒し時間を持つこと。
自分のなかのイライラや不安を外側から客観視して、自分と環境を冷静に考えて、他人に期待するのではなく自分には何ができるのかを前向きに考えること。
そのヒントを患者さんに提案するのも、慢性の痛み治療には大切なことなんです。
今日はメルマガ 人の心に灯をともす から、こんなお話のご紹介です。
【人間がすごいのは弱いから】№2558
西田文郎氏の心に響く言葉より…
人は自分にないものを持っている人を尊敬します。
他人を敬うこと自体は素晴らしいことです。
ところが、自分が持っていないものだけに意識を向けていると、「あれもない、これもない」とマイナスの錯覚を起こしてしまいます。
そうした考えから脱するには、「有無・無有の思考法」が役に立ちます。
つまり、「相手にあって、自分にない」という思考を逆転して、「相手になくて、自分にある」ことを考えてみるのです。
私は企業の社員教育にいくと、物事を逆から見るという訓練をさせます。
たとえば、支店に勤めている人は、本店に対してコンプレックスを抱いている人が多い。
どうせ、支店では大したことができないと思っている傾向にあります。
そういう場合には、「本店にあって支店にないものは何ですか」と一方思考で考えさせると、「やっぱり本店はすごい」と思って勝てなくなってしまう。
ところが、逆から見てもらうと「支店にはあれもある、これもある」とどんどんアイデアが出てくるのです。
人間がすごいのは弱いからです。
像やライオンより強いからではありません。
人間は弱いからこそ、自分にあって相手にないものを常に脳に問いかけてきた。
だからこそ、人類はここまで発展してきました。
そもそも、世の中に絶対ということはありません。
いままでこうだと決めつけていたことも、逆の立場になってみると、違った側面が見えてきます。
この逆からの発想が、いつの間にか自分が絶対と決めつけている「正しさ」に拘泥(こうでい)していることに気づくための、もっとも有効な方法です。
一つひとつ逆から見る癖をつけておくと、自分と反対意見を持った人がいても「そういう考え方もあるよね」と受け入れられるようになります。
そうすると、世の中から喧嘩や争い事がなくなるはずです。
自分だけが正しいと思ったら、破滅が始まります。
自分の「正しい」をやめる勇気を持ちましょう。
それが悪い錯覚を外すためのもっとも重要なポイントです。
そして、それが進歩や進化につながっていくのです。
『錯覚の法則』大和書房
我々は錯覚や思い込みの達人だ。
一度こうと思ったら、その考えからなかなか抜け出せない。
たとえば、業界一位の会社には到底追いつけないし勝てないとか、スポーツでいうなら○○秒の壁は破れないとか優勝は絶対無理とか。
「打つ手は無限」という滝口長太郎さんの詩がある。
【打つ手は無限】
すばらしい名画よりも
とてもすてきな宝石よりも
もっともっと大切なものを私は持っている。
どんな時でも
どんな苦しい場合でも
愚痴を言わない。
参ったと泣き言を言わない。
何か方法はないだろうか
何か方法はあるはずだ
周囲を見回してみよう。
いろんな角度から眺めてみよう。
人の知恵も借りてみよう。
必ず何とかなるものである。
なぜなら打つ手は常に
無限であるからだ。
「人間がすごいのは弱いから」
どんなに苦境に陥ろうと、あきらめず、くさらず、様々な手をかんがえる。
弱さを自覚し、自分にあるものに光をあて続けたい。
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